島本彩

島本彩

銅版画

島本彩

銅版画

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こんにちは。私は、銅版画を作っている、島本彩です。
私は、古い物や、なかなか捨てられない物、忘れられた物、大切にされた物、受け継がれてきた物、お守り的存在の物など、念がこもっていそうな物に惹かれます。
銅版画のメゾチントという技法は、つるつるした銅の板に、カッターナイフでたくさんの傷をつけていき、真っ白になるまでマットに目立てしていくことから始まる、面倒くさい技法です。同じ技法をしている作家さんが、「まるで畑を耕しているようだ」と、おっしゃったことがあります。まったくその通りで、この工程があるからこそ、モチーフにする物に染み込んでいる過去の人間の記憶と対話ができます。
今回の作品は、今までとは少し変えてみます。物を所有していた人に思いをはせつつ、その物を製作した人に寄り添ってみようと思います。この度、ご縁をいただいた、木津川市の寺子屋やぎやさんにいる物を思いながら、まずはザクザク耕してまいります。